缶のナカミ。2缶目。

日々の記録。過去同名で書いてましたが諸事情で再開したので2缶目。

サイバネ考察……という名の妄想あれこれ――物語編

というわけで前置きが長くなりすぎるくらい長くなった気もしますが、ここからが本題です。

 

 

考察1.そもそもロイは正常な状態で反乱を起こしたのか。

のっけから1作目否定するようで申し訳ありませんが。でもこの先の話をするにあたって避けられない内容だからね。
315世界での映像表現としてどう表現されているかはわかりませんが、ここでひとつ思い出していただきたいことがあります。

暴走したアンドロイドはみんな目が赤い。

といいつつ正直1作目の時点ではロイの赤い目は上位機種とかその程度の記号だった可能性のほうが高そうですが。

サイバネシリーズ全編に登場したアンドロイドは全部で8体。
そのうち、明確に“暴走した”と作中で描かれているのはADAM、キース、ハッピーの3体であり、カードイラストが赤い目で描かれたのはロイ、ADAM、ハッピーの3体です。
1作目のノリスにしてもエルにしても、ロイの側についてはいるものの人間との共存を求めながら破壊されてしまいます。
そんな彼らの作中の目の色は黄緑です。
対するロイは当時の最新軍用アンドロイドであり、2でその存在が明かされた『エンドーの報告書』によると戦闘モード時の目は青いとの記述があったとのことですが、そんな彼のカードイラストの目は赤です。
そしてZEROでのADAM。同じくカードイラストが暴走時の物なので通常時はわかりませんが、彼の目も赤です。
同じくアンドロイドではないものの、イーサンによって何らかの改造が施され、左腕のプログラムによってまるでアンドロイドのように暴走させられたとされるリクも左目は赤く染まっています。
ハッピーのカードイラストも暴走時のものと考えると、全員目の色は赤となります。

さすがにここまで重なるとただの偶然とは考えにくい。
暴走したとはいっても各自の状態にブレがあることは、作中でも語られています。現にADAMは暴走状態でありながら一時的にそれを抑え込み、自身の能力でリクを正気に戻しています。であるからこそ、考えられる可能性。

結論:ADAMのように自我を無くした状態ではなかったとしても、反乱時にロイが暴走状態にあったという可能性は非常に高く、また、ロイ自身はその事に気づいていない。

ならばロイの反乱がまったくの逆恨みなのかと言えばそういうことでもなく。
K.G.Dという(警察とは別組織と思われる)対抗組織ができているくらいなので、ロイのような大規模な反乱は初めてだったとしても、人間とアンドロイドの対立やアンドロイドが人間に危害を加えるという事件は少なからずあったと思われます。
人間と近しい姿と感情を持ちながら人ではなく物として扱われる。人間であれば逮捕・裁判と言った過程があるのにアンドロイドは即破壊される。感情を持っているからこそ、その違いを比べ、耐えられないと思うでしょう。
加えてロイは『軍用』だったとの事なので他の2体よりも更に過酷な環境で活動させられていた可能性が高く、そういった事情を考えると作中での彼が人間に対して強い憎しみをもって行動したのも『それが自他共に暴走とは思えないほど自然なこと』だったのだと思います。
……たぶん1ではそこまで深く考えて作ってはいないと言うのは禁句です。

 

考察2.感情搭載のアンドロイドが一般に浸透するまでの年月

このあたりが作中でまったく語られていないので99.9%妄想で進めていくしかないんですが。


作中でのリクの発言から、少なくともADAM以前には人間に近いアンドロイドは珍しいものだったと思われます。ケヴィン自身も『ADAMは世界初の感情を搭載したアンドロイド』であると語っています。
しかし、アルサイバー社が『民間のアンドロイド研究企業』として成立し、ケヴィンやイーサンがアンドロイドの研究者として生活できる程度には当時の世界ではアンドロイドの研究は活発だったと思われます。
以上の事柄から、当時既に『感情のないアンドロイド自体は存在していた』しかし『その見た目は一目でわかる程度には人間らしさからは離れてれていた』と考えられます。

単にリクがその方面に詳しくなかっただけでは?という可能性もありますが、彼が所属するのは『サイバー対策課』です。具体的な職務内容は作中では明らかにならなかったものの、仮にもそんな課に所属している人間がその方面の情報に詳しくないとは考えにくいのでその可能性はひとまず無視します。


ADAMとリクが親友でいられた期間が実際どのくらいのものだったのかはわかりませんし、その友情はイーサンの手により悲しい結末となるわけですが、ZEROにおける一件はADAMが市街で暴走したことによりアルサイバー社の内部だけでは留まらない事態へと発展しています。
そこでZEROの物語の後、アルサイバー社が世間に対してどう説明したかを考えてみましょう。
まず会社としては『ADAM』という存在は間違いなく失敗作です。
アルサイバー社がアンドロイドの感情の有無に対しどう考えていたかはわかりませんが、企業である以上最終的には製品に転用できる事を目的として研究開発を進めるのが普通だと考えられます。
であれば表向きはユーザーである人間の安全が最優先事項となりますが、ADAMは作中でバリィを殺害しリクを負傷させています。

こんなアンドロイドではとてもではありませんが製品としてリリースすることはできません。
また、こんな事件が起こってしまうと『感情を持ったアンドロイドは危険である』という考えが世間に浸透しそうなものですが、この頃は『感情を持ったアンドロイドがADAM以外にいない(他社で開発が進んでいる可能性はありますが少なくとも世間に広くは知れ渡っていない)』という事実があり、アンドロイド(ロボット)=感情の無い物というのが世間の認識だったと思われます。
以上のことから、アルサイバー社の説明や報道等ではADAMが実際どういうアンドロイドだったのかは明らかにされず、この事件そのものは『開発中のアンドロイド(ロボット)が暴走し警官と研究員を殺害、駆けつけた警官によって阻止される』程度で済まされていた可能性が高いのです。

というよりも、この一件で『感情を持ったアンドロイドは危険である』という考えが世間に浸透してしまっては、そもそもロイたちも誕生することはなくサイバネ1が始まりません。
故に、この事件以降もアルサイバー社をはじめとして各研究施設では『感情を持ったアンドロイド』の研究が進んでいたのではと思われます。

とまぁ話は反れましたが、そのADAMの誕生からロイたちの様に感情を持ったアンドロイドが世界に広まり、人間と大規模な争いを繰り広げるようになるまでに実際にどれくらいかかったのか。

ADAMという一応の成功例があったとはいえ、まだテスト段階だったものを製品化し、量産化するのは1年や2年でできるようなものではありません。また、ADAMが起こした事件とその危険性をとりあえず世間に忘れてもらうための時間も必要です。

規模が違いすぎるので同列で比べるのもどうなのかといってしまえば確かにそうですが、今私たちが手にしているスマートフォンの原型となる機種は92年に発売され2010年代から世間に浸透し始めたそうです。
同じくパソコンは1970年代に個人用として販売がスタートし、95年ごろに爆発的に世間に広まったとのことです。

結論:ADAMからロイ達の世代までにはどんなに軽く見積もっても20年~30年は経っている。

こんなことを言ってしまうと『いやいや、ZEROの最後にリクがエンドーに電話してたじゃない』と言われてしまいそうですが、リクの話し方からすると少なくともエンドーは彼の上司や先輩ではありません。
また、電話の目的が『相談』だったことからすると部下であるとも考えにくく、そしてリクの電話の相手であるエンドーが1で道流が演じたとエンドーと同一人物であるとも明確に語られてもいません。
故にリクの電話の相手であるエンドーが1でのエンドーの父親であると言う可能性も考慮に含めても良いのではないかと思います。
…………はい。もっともらしく言ってますけど半分くらいは私の希望です。 

 

 

考察3.詳細が語られなかった『王様』と『ソルを助けた人物』は誰か

サイバネ2にて、ソル達K.G.D.を殺そうとしたキースですが戦闘中に『王様』と呼ぶ何者かの干渉により戦闘を中断します。
『王様』が誰を指すのかは現時点では語られていませんが、キースによると彼らの思考回路に干渉しその行動を制限することができるようです。

さて。既にお気づきの方もいるかとは思いますが、ここでイーサンがリクを改造した時のことを思い出してみましょう。
この時イーサンはリクに対してこう発言しています。
『君の体は最先端技術の結晶』であり
『ヒトと機械を融合し人類を超越した存在』であり
『いずれアンドロイドを束ねるにすらなれる存在』だと。
つまり、キースの言う『王様』がまったくの新キャラでなければ、それはリクであると考えるのが自然であると思われます。

そして暴走したキースにより負傷させられたソルを助けた人物。
この時ソルは朦朧とする意識の中で人影を目撃していますが、その人物の着ていた服をK.G.Dの制服であると認識しながらもその認識には疑問符が浮かんでいます。
また、目覚めた時に新しく装着されていた義手には『ADAM』の刻印があります。
あの事件で生き残り、K.G.Dではないながらもそれに酷似したP.G.Dの制服を着用し、ADAMのデータをもつ人物は、現在明らかにされている中ではひとりしか存在しません。

結論:どちらもリク

前の項で1と2の世界はZEROから軽く見積もっても20年~30年とか言っておきながらリクっておかしくない?!そんなことしたら冬馬には演じられないじゃん!めっちゃ重要人物っぽそうなのに完結編出られないじゃん!って言われそうですが、そこでもう一度イーサンの台詞を思い出していただきましょう。
彼はリクを指して『(当時の)最先端技術の結晶』『人類を超越した存在』だと語っています。
またZEROの作中で彼はプログラムに支配され、暴走状態のADAMと戦闘を行い対等に渡り合っているというシーンがあります。
つまり、イーサンの手によってリクは既に普通の人間では無くなっている可能性が非常に高く、よって2の時系列においても外見上はZEROから歳を取っていないという可能性があるのです。

…………いや、歳をとったリクって事で次郎ちゃんあたりに演じてもらっても全然構わないんですよ。わかりやすく熱血っぽい人間演じる次郎ちゃんもそれはそれで見たい。

 

箸休め的考察1.ところでキースって人殺したことあるの

結論:たぶんない。

完全に余談なんですけれども、キースは人間に戦いを挑み、好戦的な性格をしておきながらも、正常な状態のシーンにおいて特にこれと言った危害を加えているシーンが見当たりません。
また、ソルたちとの初対面時に『基本動作テスト』と『戦闘モードのテスト』を行っていることから、そもそも戦闘自体が初めてであった可能性もあります。
捕らえたソルに対しても悪態をつきながら人間用の食事を与え、暴言にも冷静に対応し、戦闘が予想される『黒幕』と思われる人物のアジト(?)にも同行させていたことから、一応敵であるソルに特にこれと言った危害を加えることなくちゃんと扱っていたことが伺えます。
これらの彼の行動は『王様』にある程度の干渉を受けた結果や、力関係では圧倒的強者であるゆえの余裕だとも考えられますが、キース自身が軍用機でありながら人間に致命的な危害を加えられないようになっているのだとしたら。
『人の喜ぶ顔が好き』だといいながらも反乱軍に所属しているハッピーが付き従うのも不思議でもなんでもないことなのかもしれません。
また、軍用機でありながら『人を殺すことができない』というバグを抱えているのであれば、そのコンプレックスがロイへの憧れにつながっているとも考えられます。

というわけで口悪いけどキースくんたぶん根は良い子だよ。

 

 

考察5.ケインが離反した理由とケインの言った『あの人』は誰なのか。

K.G.Dとしてアンドロイドを破壊すると言う仕事をしておきながら、作品中盤に突如彼らから離反し、革命軍を組織する彼。
しかしながら、作中でのそれまでの行動を見ていると彼自身に『自分がアンドロイドである』という認識がなかったという可能性があります。

ケインが離反する直前、アンドロイドの暴走がウイルスによるものであると彼らは既に認識しています。
彼自身に『自分がアンドロイドである』という認識があるのであれば何の対策もせずに現場を走り回るとは考えにくく、また『妻と娘を失った悲劇の捜査官』としてK.G.Dに潜入しアンドロイドのためにスパイ活動をしていたという様子もありません。
よって、少なくとも離反する直前までは心からK.G.D捜査官として任務についていたと思われます。

ならばなぜ彼はK.G.Dから離れたのか。
まず捜査に出向いた先でソルに襲い掛かったシーン。
後のソルの台詞からこの時点のケインは少なくとも暴走ウイルスによって暴走していたことがわかります。
ソルの反撃によってできた傷により、K.G.Dの面々に彼がアンドロイドであることが露見するわけですが、それは彼も例外ではなくこの時初めて『自分がアンドロイドだ』と認識したのかもしれません。
また、リクがADAMと初めて会ったときの発言や、ソルが当初ハッピーをアンドロイドだと気づいていなかった様子からも、アンドロイドと人間を外見だけで判別することは非常に難しいのだと思われます。
仮にそれ以前に彼自身にアンドロイドとしての自覚があったなら、その銃口が自分に向くというリスクを背負ってでも、アンドロイドとしての能力を活用した方がK.G.Dの任務はより容易にこなせたはずです。
しかしそのような様子は一切ありません。
よって彼は自分がアンドロイドである認識がなかったと仮定します。

彼が逃亡した時、ソルからの攻撃で一度停止したことにより暴走ウイルスの効果が消えた状態だったのか、暴走ウイルスに感染したまま自我を保った状態だったのかはわかりませんが『人間だと思っていた自分がアンドロイドである』と知ってしまった彼は間違いなく思い悩んだでしょう。
撮影前の輝の発言や作中での様子から、彼は妻と娘を奪われたことに対する復讐としてアンドロイドを破壊し続けてきたと思われます。
が、アンドロイドである以上彼に(生物学上の)妻と娘が存在するはずはありません。(擬似家族としての彼女達が存在していた可能性はありますがそれはひとまず置いておきます)
こうなっては彼女達への想いどころか、アンドロイドを無慈悲に破壊し続けてきた理由、自分と言う存在そのものが何が本当で何が嘘なのかといった状態になってしまいます。
ソルと再会した際、彼はこういっています。
『人間に弄ばれた』
『全てがまやかしであることが耐えられないから世界を壊す』
今まで信じてきた全てが誰かによって作られたモノであり嘘だった。それはそう簡単に受け入れられるような事ではなく、ケインが逆上するのも無理はありません。
また、この時の彼は人間を滅ぼすと語っていますがアンドロイドの未来自体については何も語っておらず、戦いの目的そのものが『世界を終わらせる事』に変わっている可能性があります。
間違いなく今後もソルやキースの前に立ち塞がり続けるでしょう。

さて。ここでひとつ思い出していただきたいのですが、キースたちを暴走させたウイルスのベースはおそらくADAMを暴走させたプログラムであり、それはケインによってばら撒かれたものです。
つまり、この時点でケインは『黒幕』と思われる人物には既に接触していると思われます。
自己申告によると彼は暴走ウイルスには感染しておらず全て自分の意思で戦っていると発言しています……が、少なくとも一度は暴走ウイルスに感染しています。
また、前述の過程が事実であれば彼自身がそう思っているだけでその意思自体も作られたものであると言う可能性が出てきます。
そしてADAMを暴走させた戦闘コマンドを作ったのは他ならぬイーサンです。
ADAM開発時はハード面を担当していたとの事ですが、プログラム方面にも強いことは既に明かされています。加えて、物語終盤では彼らしき人物とケインが接触しています。
ソルとの戦闘で負傷し、K.G.Dから逃亡したケインと出会ったイーサンが、ケインを修復するついでに彼のプログラムに手を加えて、自分に都合のいい事をケインに吹き込んでいたとしてもなんら不思議はありません。


結論:自身がアンドロイドであった事実を知ってしまったため自暴自棄になり、人間を滅ぼすために革命軍を組織した。しかしその記憶や感情はあの人=イーサンに操られている。ついでに黒幕はイーサン。

ところで、ここまで書いておきながら今までのを読み返して、ふと思い出したんですが。
リクがイーサンの手によっていわゆるサイボーグってやつになっているので、ケインもその可能性十分あるんですよね……こう…ロボコップ的な(今の若い子わかんないよ)
ソルとキースから受けた攻撃の光(?)の中でフラッシュバックのように妻と娘の姿が浮かんでいるようなシーンもあったことから、どうも彼女達の存在までも嘘だと言うことでもなかったようですし。

リクに施された処置はイーサンいわく当時の最先端との事ですが、アンドロイド研究の義肢技術等への転用は進んでも、身体そのものの改造は倫理的な観点からあまり大っぴらにはされていない可能性があります。けれどもリクという例がある以上、技術自体は間違いなく存在しています。
サイボーグと言う存在を知らなければ、ケインの機械部分の負傷を見たK.G.Dの面々が彼をアンドロイドと認識してもなんらおかしくありません。

人間だった頃の彼は妻や娘と共にアンドロイドに一度は殺されたけど、サイボーグとして誰かに蘇らされて(当然死んだと言う記憶は消されて妻と娘が殺されたという記憶だけがある)あのような経緯を辿った……とかだとケインの不幸っぷりが更に増し増しになってコメントのしようが無くなるんだけども正直そういうお話も嫌いではないです。
それで物語の最後に全部思い出して皆と一緒に戦って笑顔で死なれたりとかしたら間違いなく『ああああ……』ってなる。なるけども、そういう難しい役を輝にやってもらいたいとか思いませんか。

 

 

 

 

とまぁ完結編出る前にと思って妄想書き連ねてみましたけど。
エムくんが劇中劇をここまで掘り下げてくるとか正直思ってないので答えあわせとかはできないだろうなぁ……

 

とはいえ、とりあえず私は書きたいことは思う存分書けたので大満足です。